医院開業の手続き

医院や歯科医院の新規開業にまつわる様々な行政手続きのお悩みにお答えします。「誰に何を聞いたらいいか分からない…」そんな先生のサポーターとして。また、「医療関連に強い税理士がいない…」そんなお悩みを持つ開業コンサルタントの方もぜひ私たちをご活用ください。書類作成から申請代行まで、総合的にサポートいたします。

医院の開業には新規開業と
承継開業が存在します。
それぞれの特徴を記載いたします。

新規開業について

新規開業は、全く新しい医療機関をゼロから立ち上げるため、 時間と労力を要しますので徹底した準備と計画が不可欠です。 以下では、新規開業の各段階と重要なポイントを詳しく解説します。

01

コンセプト設計と
市場調査

新規開業の第一歩は、明確なコンセプトづくりと市場調査です。医療機関をどの地域に開業するのか、どのような患者様層をターゲットにするのかを決めることが非常に重要です。「診療研調査」と呼ばれる市場調査を行い、地域の人口構成や競合医療機関の状況を把握すること。特に競合の医療機関がどのようなサービスを提供しているか、どのような差別化を図れるかを見極めることが成功のカギを握ります。 患者様層を決める際には、年齢層や生活習慣、医療ニーズに応じたサービスを提供することが求められます。例えば、子供向けの診療所を開業する場合、親子向けのサービスや設備が必要です。一方、高齢者向けクリニックの場合は、バリアフリー対応や専門的な医療設備が必要になるでしょう。

02

資金計画と
資金調達

新規開業には、初期投資や運転資金が必要です。そのため事前に詳細な資金計画を立て、資金調達方法を決定します。資金調達には、銀行からの融資や投資家からの出資、自己資金などが考えられます。銀行融資の場合、事業計画書を提出し、将来の収益性や返済能力を証明する必要があります。 また、開業前に予算オーバーにならないよう、設備投資や医療機器購入費用を明確にしておくことが大切です。無理な設備投資や高額な医療機器の導入を避け、必要最低限の設備でスタートすることが賢明です。資金計画には予備費も含め、運転資金に十分な余裕を持たせるようにします。

03

医療機器の選定と
設備投資

新規開業には、医療機器や施設・設備への投資が不可欠です。これらの選定にあたっては、品質とスピードとコストのバランスを慎重に考える必要があります。高性能の医療機器は高額であるため、初期投資を抑えるためにはリースやレンタルも選択肢となります。 また、施設の内装やデザインも重要です。患者様が快適に診療を受けられるように、クリニックのレイアウトや設備を整えることが求められます。特に待合室のスペースや診察室の配置は、患者様のストレスを軽減し、安心感を与えるために工夫が必要です。

04

スタッフ採用と教育

医療機関の成功には、スタッフの質が大きな影響を与えます。新規開業の段階では、医師や看護師をはじめとするスタッフの採用が必要です。採用活動には時間がかかるため、早めに募集をかけ、面接や選考を慎重に行うことが重要です。 また、スタッフの教育は開業前から行う必要があります。スタッフには、患者様対応や医療機器の使用方法について教育を行い、開業時にはスムーズに業務を行える体制を整えます。特に、初期の段階ではスタッフの役割分担が曖昧だと業務が滞る原因になりますので、明確な指示を出しチームワークを大切にします。

05

プロモーション活動

開業後、患者様を集めるためにはプロモーション活動が不可欠です。WebサイトやSNSを活用して、地域住民の方々に医院を知ってもらうための施策を行います。また、オープニングイベントやキャンペーンを実施することも、患者様の関心を引きつける良い方法です。 地域の病院やクリニックとのネットワークを構築することも重要です。地域住民や医療機関と連携し、患者様の紹介やフォローアップを行うことで、開業後の集客に貢献することができます。

06

行政手続きと
税務・労務手続き

新規開業においては、行政手続きや法的手続きを確実に行うことが必要です。医療機関としての登録や、保健所・厚生局の申請、就業規則の作成、税務署への税務届出の提出など、複数の手続きを行わなければなりません。これらの手続きを適切に進めるためには、専門家によるサポートを受けることが不可欠です。

承継開業について

承継開業とは、既存の医療機関を引き継いで運営することを指します。新規開業と比較して、初期投資が少なくて済むというメリットがありますが、引き継ぐ医療機関の状態に応じて、慎重に進める必要があります。既存の顧客基盤やスタッフがいる一方で、引き継ぎには特有の問題や課題もあります。そのため、承継開業を成功させるためには、さまざまな要素に注意を払い、適切な手順を踏んで進めることが求められます。以下に、承継開業における重要なステップとそれに伴う注意点を詳しく解説します。

01

デューデリジェンス
(事業調査)

承継開業を始める前に最も重要なステップは「デューデリジェンス」です。デューデリジェンスとは、引き継ぐ医療機関の事業内容、財務状況、法的状況、スタッフの状態などを調査し、医療機関が適切に運営されているか、また潜在的なリスクがないかを確認するプロセスです。このステップが不十分であると、開業後に思わぬトラブルに見舞われる可能性があります。

具体的には、以下のような項目を調査する必要があります。

財務状況

医療機関の過去の決算書を分析し、収益性、資産負債のバランス、キャッシュフローの健全性を確認します。過去に税務署や行政からの指摘があった場合、その内容と対応状況を確認することも重要です。

医療機器と設備の状態

医療機器の保守履歴、設備の老朽化具合、更新や修理が必要な場合はその見積もりを確認します。設備の状態が悪いと、開業後に予期しない高額な費用がかかることがあります。

法的契約

医療機関が所有している施設や医療機器に関する契約(賃貸契約やリース契約など)を確認します。また、労働契約書や患者様との契約(特に診療契約書)についても確認し、問題がないかをチェックします。

スタッフの状況

現スタッフの労働契約、離職率、スタッフの業務内容などを調査します。また、スタッフが新しい経営者に対して不満を持っていないか、引き継ぎ後にモチベーションを保つための対策が必要かも確認します。

02

契約書の作成と
クロージング

デューデリジェンスを終えて問題がないことが確認できたら、次に進むのは契約書の作成です。契約書には、事業の引き継ぎに関する具体的な条件や、財産の譲渡方法、業務の引き継ぎに関する詳細な取り決めが記載されます。この段階では、弁護士や税理士などの専門家の助けを借りることが非常に重要です。専門家のアドバイスを受けて契約書を作成し、契約内容に不備がないかを確認しましょう。 契約書では、引き継ぐ資産の評価額、負債の取り決め、医療機器や設備の状態、スタッフの再契約内容などが明記されます。特にスタッフの再契約に関しては、既存スタッフがどのように新しい経営者に引き継がれるのか、報酬や勤務条件に変更がないのかを明確にしておくことが大切です。 また、契約書の作成後、クロージング(契約の締結)に進む際には、契約内容がすべて満たされているかを再度確認し、双方が納得した上で手続きを完了させます。この段階での慎重さが、今後の経営のスムーズさに直結します。

03

行政手続きと法的対応

行政手続きをスムーズに進められるかどうかは、医療分野に特化した行政書士の存在が重要です。医療機関の承継において、法人格の引き継ぎや各種申請手続きは非常に複雑で、専門的な知識が必要です。行政手続きが不慣れだと、法人格の引き継ぎや医療機関の登録変更がスムーズに進まない可能性があり、時間や手間がかかることがあります。 行政書士は、医療機関特有の法的要件をクリアするために必要なアドバイスを提供してくれます。例えば、医療法人の定款変更、医療機器の名義変更、従業員の労働契約書の再作成、診療所の開設届など、多岐にわたる手続きが求められます。これらの手続きが遅れると、事業の引き継ぎに支障をきたす可能性があるため、行政書士の助けを借りて適切に手続きを進めることが求められます。 また、行政書士は新しい経営者が地域や医療機関に必要な認可や許可を取得する手続きをサポートします。これにより、法人としての適法性を確保し、患者様やスタッフに対して安心感を提供することができます。

04

スタッフの引き継ぎと
役員変更

承継開業では、既存スタッフの引き継ぎが非常に重要です。スタッフの適切な引き継ぎが行われなければ、医療サービスの質が低下し、患者様の不満が生じる原因となります。特に既存のスタッフは、経営者の交代に対して不安や抵抗を感じていることも多いため、引き継ぎに関して適切なコミュニケーションが必要です。 引き継ぎの際にはスタッフとの面談を行い、新しい経営者のビジョンや方針を伝えることが重要です。スタッフが新しい経営者に対して信頼を持ち、安心して働ける環境を整えるためには、最初の段階でしっかりとした信頼関係を築くことが求められます。 また、役員変更や経営方針の変更が行われる場合、スタッフに対してその内容を説明し、納得を得ることが重要です。スタッフが新しい経営体制に適応できるように、十分な時間とサポートを提供することが成功のカギとなります。

05

患者様の引き継ぎ

承継開業では、既存の患者様層を引き継ぐことが最も大切です。患者様は医療機関に信頼を寄せており、経営者が変わることに不安を感じることもあります。そのため患者様に対しては、引き継ぎが円滑に行われることを伝えるとともに、新しい経営者の医療方針やサービス内容について説明し、信頼感を与えることが重要です。 患者様に対しては事前に通知を行い、新しい医療方針や方針変更の有無、スタッフの変更について明確に伝えることが必要です。引き継ぎ期間中は、患者様への対応を丁寧に行い、スムーズに移行できるように配慮します。患者様の信頼を得るためには、透明性が最も重要です。

06

新しい経営方針の確立

承継開業を成功させるためには、新しい経営者が明確なビジョンを持ち、それをスタッフや患者様に伝えることが不可欠です。経営方針を明確にし、その方針を実現するための戦略を立てることが求められます。経営方針を実行するためには、スタッフの協力が不可欠ですので、スタッフと共に目標を達成するための行動計画を作成し、その進捗を定期的に確認することが必要です。 経営方針やビジョンが明確であれば、スタッフのモチベーションも高まり、患者様へのサービス向上にも繋がります。また、新しい経営者が信頼を得るためには、経営の透明性を保ち、スタッフや患者様の意見を積極的に聞く姿勢を持つことが大切です。

07

税務・法務の整理

承継開業では、法的および税務面での対応も重要です。事業の引き継ぎにおいて、法人税や相続税、譲渡所得税などが関わってくる場合があります。これらの税務処理を誤ると、後々大きな問題となる可能性があるため、税理士などの専門家に相談しながら適切に対応することが必要です。 また、契約書の内容が適切であるか、税務署に適切に申告しているかなど、法的な手続きを徹底することが求められます。特に、既存の医療機関が持っている資産や負債の取り決めについては、税務上の影響を考慮して慎重に対応することが大切です。

承継開業は、初期投資が少ない一方で、既存の資産や契約、スタッフ、患者様との信頼関係などを引き継ぐため、綿密な準備と計画が欠かせません。デューデリジェンスを通じて、事業の健全性を確認し、契約書をしっかりと作成することが第一歩です。スタッフや患者様に対して透明性を持って対応し、新しい経営者として信頼を築くことが成功に繋がります。行政手続きや法的手続きにおいては、専門家の助けを得ることが重要です。

総合経営サービスの
「医院開業の手続き支援」が
選ばれる理由

POINT 01

新規開業にも承継開業にも対応、あらゆる開業形態を支援

ゼロから立ち上げる新規開業では、コンセプト設計・市場調査・資金計画からスタッフ教育・プロモーションまでを一貫支援。承継開業では、事前のデューデリジェンスから契約支援、スタッフ・患者様の信頼関係維持まで、引継ぎ特有の課題に寄り添った支援を提供します。

POINT 02

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