2025年12月18日

かかりつけ医機能報告制度について
本記事では、医療法人・診療所の院長先生や事務長の方向けに、 2025年4月から新たに始まる「かかりつけ医機能報告制度」について解説します。
制度の概要から具体的な報告内容、そして未報告のリスクまで、重要なポイントを整理しました。
1. 制度の概要と目的
まず、「かかりつけ医機能報告制度」とはどのような制度なのでしょうか。
これは、地域の医療機関が、自院が担っている「かかりつけ医機能」の内容について、都道府県知事に対して定期的に報告を行う仕組みのことです。
この制度は2025年4月から施行される予定です。
主な目的としては、地域医療の質を向上させること、そして何より医療機能を地域住民に「見える化」することが挙げられます。
さらに、この制度を通じて医療機関同士の連携を促進することも狙いの一つです。
そのため、医療法人にとっては、自院が地域でどのような役割を果たしているのかを公式に示す重要な機会となります。
2. 対象となる医療機関
次に、どのような医療機関が報告の対象になるのかを確認しましょう。
本制度の対象となるのは、特定機能病院や歯科医療機関を除いた、原則としてすべての病院・診療所です。
つまり、医科の無床診療所やクリニックであれば、基本的にはすべて対象に含まれます。
ただし、注意が必要な点があります。
医療法人が複数のクリニックを運営している場合、報告は法人単位でまとめて行うことはできません。
具体的には、それぞれの医療機関(診療所)ごとに個別に報告を行う必要があります。
3. 報告が必要な「2つの機能」
報告すべき内容は、大きく「1号機能」と「2号機能」の2つに分類されています。
自院の実績や体制がどちらに当てはまるかを確認しておくことが重要です。
1号機能(必須となる基本機能)
1号機能とは、日常的な診療を総合的かつ継続的に実施している体制のことです。
例えば、以下のような項目が含まれます。
- 一次診療への対応
- 日常的な医学管理の実践
- 患者さんからの相談体制の整備
- 研修修了者の配置状況など
2号機能(該当する場合のみ)
一方で、2号機能はより地域ニーズに特化した機能です。
具体的には、以下のような実績がある場合に報告します。
- 夜間や休日における診療体制(時間外対応)
- 在宅医療の提供実績
- 介護施設や福祉サービスとの連携体制など
4. 報告スケジュールと方法
続いて、実際のスケジュールについて見ていきましょう。
制度自体は2025年4月から施行されますが、実際の報告時期は以下のようになります。 施行開始日2025年4月1日 初回報告期間2026年1月〜3月(予定) 定期報告2回目以降は、毎年1月〜3月の間に報告を行います
報告の方法については、原則として国のシステムである「G-MIS(医療機関等情報支援システム)」を利用してWeb上で行います。
しかし、Web環境が整っていない場合などはどうなるのでしょうか。
これについては、都道府県によっては例外的に紙媒体での報告も認められる可能性があります。
例えば、東京都の例を見ると、2025年12月時点で具体的な様式は公表されていませんが、紙での報告自体は可能となる見込みです。
5. 罰則と未報告のリスク
「もし報告をしなかった場合、罰則はあるのか?」と心配される先生もいらっしゃるかもしれません。
結論から言うと、現時点では未報告による直接的な罰則(罰金など)は明確には規定されていません。
本制度はあくまで「お願い」レベルの側面があるためです。
しかし、だからといって報告しなくて良いわけではありません。
なぜなら、報告状況や機能の有無は、将来的に都道府県のホームページ等で公表される可能性が高いからです。
地域における信頼性を維持するためにも、適切に報告を行うことが推奨されます。
まとめ:医療法人にとってのメリット
最後に、本制度に対応するメリットを整理します。
かかりつけ医機能報告制度は、単なる事務負担の増加ではありません。
適切に対応することで、例えば以下のようなメリットが期待できます。
- 「かかりつけ医機能」があることを、地域や患者へ明確に示せる
- 近隣の医療機関や介護事業者との連携がスムーズになる
- 法人の強みや役割を再整理する良い機会になる
まだG-MISのアカウントを取得されていない医療法人の皆様は、ぜひこの機会に取得手続きを進めてみてはいかがでしょうか。
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